『出雲の山城――山城50選と発掘された城館』について

先日、ネットを検索していたら表題の書物に出会いました。
『出雲の山城――山城50選と発掘された城館』(ハーベスト出版)と題する紹介本で、れっきとした専門書です。

その分野の研究者にはとても重宝する冊子です。島根県内に分布する戦国時代を中心とした時期の山城は何百とあると思いますが、その中から50か所を選んで掲載した、と言います。

最近、日本の名城百選、とか日本の城完全名鑑500選、とか名城1000とかいろいろあるなかで、この島根県で刊行された書物は、最近の傾向を先取りして、城跡の概説や縄張り図の紹介だけではなく「発掘成果」を盛り込んで最新の話題を紹介していることに、編者の良心性が読み取れます。

早速購入して読ませてもらいました。
携わっている方々は、みなそうそうたる山城の研究者です。島根、という一つの地域の山城の紹介ですが、山城研究の現在のホットな話題に触れながら、意欲的に選定し、概説されていると思います。

なかでも、丹波から丹後、伯耆、出雲などなどに広がっている畝状竪堀についての扱いは注目されます。
畝状竪堀が、曲輪を囲む斜面の中で多くは緩斜面に施されている傾向を読み取り、「防御上、不利な郭や緩斜面を破壊するために築かれた・・・・」という説について触れているのが大変興味深く感じられました。

今後、他の県がこうした紹介本を参考に、どしどし山城の紹介本を出版していってほしいなあ、と切に思いました。城歩きマンの福井も例外ではありません・・・・。
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