『福井県の中・近世城館跡』の改訂について

福井県の中世から近世にかけて築造された城館について、詳しく調べた報告書があります。県内には、一体どれくらいの城や居館跡が残っているのだろうか、とか、それはどこにあるのだろうか、とか調べたいと思ったら、まずこのタイトルに書いた書籍『福井県の中・近世城館跡』を見てみるのが一番です。県立図書館や市の図書館などでは郷土史コーナーに置いてあると思います。
この本が刊行されたのは、もう25年も昔のことで、文化庁の補助金による事業として、全国の都道府県の教育委員会がそれぞれの自治体単位で悉皆調査を実施しました。その成果を書物にまとめて刊行しているので、福井県だけでなく、ほぼ全国で城館跡の状況を調べることができます。
福井県もこの補助事業に合わせて実施し、昭和62年に1冊にまとめて出版しました。A4判、175ページのもので、内容はその所在地を5万分の1の地形図にマーキングしています。また、記録(古文書を含めて)に出てくるものはすべて、ピックアップしています。それを一覧表にして、各城跡の出典記録が対照できるようにしてあります。文献の記録しかなく、所在そのものが未確認のものも含んでいますが、合計532か所について登録しています。
これが出版された当座は、大変便利で、有り難い書物でしたが、他の都道府県から刊行されたものと比較すると、一番大きな相違点は城館の内容についての叙述がない、という致命的な弱点があることでした。一般の本屋さんから出版されたものとしては、たとえば、『日本城郭大系』や『図説中世城郭事典』などが刊行されており、これらはその城館の一々について、性格や現状について叙述していますので、それなりに使い勝手があるのですが、この福井県のものはどうしても、城館を調べるのには中途半端なものになってしまっているのが気になっていました。よその県の人が見ても同じ気持ちになっただろうと思います。
筆者が今回、この書物を取り上げたのは、もう、古い話になってしまいますが、この本の改訂版が出せないか、ということです。それはもちろん、予算のことが付いて回るので、簡単には話は進みませんが、この本を編集した教育委員会の担当部署の人たちも、きっと同様の思いをもってこの間を過ごしてきただろうと思うのです。
行政当局の人にお願いしますが、ぜひ、この本の改訂版を出版して、県内外の人たちが使いやすい、利用するのに便利な書物にしていってほしいと思います。
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