石川県の畝状竪堀をもつ山城について(その1)

石川県の畝状竪堀をもつ山城について

最近、石川県内の畝状連続竪堀をもつ山城について調べています。
と言っても、特に研究テーマをもって本格的に調べ上げてみようというものではなく、あくまでも現地調査の準備、下調べ程度ですが…。

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10年ほど前に、石川県から中世城館跡調査報告書Ⅰ~Ⅲが刊行されて、これまで『日本城郭大系』や、その都度の分布調査報告、発掘調査報告書でしか確認できなかった石川県内山城のおよその内容がまとまって把握できるようになりました。

もっとも、こうしたことは石川だけではなく、福井も含めて、各県の教育委員会が悉皆調査を計画的に実施し、その成果を逐次報告書にまとめて刊行している事情があるからにほかなりませんが。

そして、以前にブログで紹介したかもしれませんが、こうした悉皆調査のおかげで、全国各地の山城の分布の有様、又、その実態が30年ほど前の『城郭大系』が出たばっかりの頃と比べると、ぐんと見違えるほど進んでおり、雲泥の差を感じます。
調査・研究の日進月歩のあゆみを肌で実感できて大変良いことだと、一人で合点しています。

さて、話を本題に戻しましょう。
現在、城歩きマンが上記の城館調査報告書や、その他の情報から知り得た石川県内の畝状竪堀をもつ山城は、町屋堡・枡形山砦(鹿島郡中島町)、熊木城跡(穴水町・鹿島町)、向田城(七尾市能登島町)、石動山城砦群・荒山道砦(鹿島郡鹿島町)、飯田城(珠洲市)、堅田城(金沢市)、大聖寺城(加賀市)などです。

‘などです’とあいまいな表現にしたのは、調べ方をもっと厳密にすれば、まだ他に見つかるだろうという思いがあってのことです。

富山でも結局のところは、石川と同じような理由で中世城館調査報告書が刊行されてから、一気に山城の実態が詳らかになり、枡形城や増山城、井田主馬ヶ城などの城跡が畝状竪堀をもつ山城だと分かってきたのです。

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こうして見ていくと、早くから紹介され、かつ注目されていた新潟での畝状竪堀をもつ山城の例から、新潟は畝状竪堀が発達した(卓越した)地域だと言われてきました。しかしながら北陸で空白地域とされていた富山、石川が見事に埋められて、北陸全体で、密度の差こそあれ畝状竪堀がまんべんなく存在することが明らかになってきました。

そうなると、文字通り、畝状竪堀といった、山城の斜面に刻み込む連続竪堀の構築技法が様々な取り入れられ方をして各地に遺っている、という実態として把握されることとなってきました。そして、今では、ごく常識的な見解のように、――北海道や東北の一部を除いて、ほぼ日本全域で確認される――、といった論調に変わってきていますが…。

そんなわけで石川の畝状竪堀をもつ山城に登るのがとても楽しみです。石川も福井と同じように、山城が少ない地域と思われてきました。七尾城だけが目立って、それ以外にはあっても、規模の大きな立派な(?)山城はないだろうと思われてきましたが、なんの、なんの、調べれば調べるほどに、魅力のある山城がたくさんある地域なのです。
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COMMENT 3

midorishako  2014, 11. 08 [Sat] 08:04

畝状竪堀

畝状竪堀というのが全国的なものであるとは知りませんでした。愛知県にもその例はあるのでしょうか。愛知県は三河の方に山城が多いです。(三河が尾張に比べ山の多い地方ですので)三河あたりに畝状竪堀のある山城があるのかもしれませんね。

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城歩きマン  2014, 11. 08 [Sat] 17:28

midorishakoさん、コメントありがとうございます。

『愛知の山城ベスト50』という山城のガイドブックで、ちょっとあたってみましたが、やはり2ヶ所載っています。

ひとつは豊田市市場町の市場城、部分的に3条の畝状竪堀をきざんでいます。
今一つは北設楽郡設楽町の津具城です。この城も小規模ながら畝状竪堀をもっています。
以前から東海地方は関東地方と同じで、畝状竪堀の希薄な地域と言われてきましたが、よく観察すると見つかるのですね。
これから発見例が増えていくと思います…。v-290

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midorishako  2014, 11. 08 [Sat] 19:43

ありがとうございます

城歩きマンさん
ありがとうございます。さっそく行ってみたいとおもいます。
畝状竪堀がどんなものか愛知の城で見てきます。

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