倭城噺2題

倭城を歩く(表紙)
先日、ふとしたきっかけでサンライズ出版2014年発行の『倭城を歩く』という書物を購入しました。

むかし、ロッコウブックスから出された、李進煕先生の『倭館・倭城を歩く』という書物を読んでから、久しく倭城に関する書物には触れていませんでした。

もっとも、更におおむかしには現地の倭城を実際に見学した踏査記録の報告書が刊行されたりしていますので、そんなに稀有な、珍しいものに触れた、という話ではありません。
しかしながら、やはり韓国に残る、負の遺産としての、朝鮮出兵で築かれた日本の城郭についての書物は、韓国はもちろん、日本国内でも「希少物件」には違いありません。

むかし、これも平成15年で、13年も前のことですが、城歩きマンたちが韓国南部の倭城を訪ねたとき、日本史の教科書でしか知り得なかった事柄が、今自分の目の前にあるんだと大変感動しながら見て歩いた記憶があります。その感動は今もずっと続いていて、頭の奥底で反芻する癖がついてしまいました。

マ、それはともかく、サンライズ出版から出された『倭城を歩く』という本は、久しく訪ねていない韓国の倭城を、どうぞ見に行ってください、と勧誘してくれるありがたい本でした。13年前の倭城の現状は、韓国南部地域の開発工事が進んで、臨海工業地帯の拡張や新たなコンビナートの建設が頻繁に行われていて、負の遺産である倭城の存在が大きくクローズアップされていました。
国民感情からすれば、そんなものは残しておいてもためにならないから、どんどん壊して、新しいものをつくりなさい、という声が多く聞かれたものです。そのために実際に破壊された城郭遺構もいくつかあると聞いています。
ですから、旅行当時に尋ねた熊川城や蔚山城などで現地の人と顔を合わせるのがとてもつらい気がしたのを覚えています。

あれから13年が経ち、ずいぶんと現地の様子も変わったと言います。この本を編集した「織豊期城郭研究会」という集まりの会によって何度も現地を訪ね歩き、観光のためのガイドブックを作成することに主眼をおいたと記しています。
紹介されている城は20ヶ所以上にも上り、日本のように発掘調査後に遺構を整備して、土塀や門を復元している遺跡もあるとか…。有難いことです。
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