三峰城―地域おこしと城山巡り(10)

5旧三峰村大イチョウ旧三峰村大イチョウ
プロフィール
三峰城は一乗谷城の南西の方角約4㎞の位置にあり、現在、福井市鹿俣町と鯖江市上戸口町、西袋町にまたがって所在しています。福井市鹿俣町からは南に約1.5㎞、城山と呼ばれる山の頂部を中心とした範囲に広がっています。

本城跡については2016年10月10日、11日付でアップしていますので、併せてご参照いただければより分かりやすいかなと思います。

8三峰城本丸から福井平野を望む主郭部から二ノ丸、三ノ丸、虎口、福井平野方面を望む
三峰城が最初に登場するのは、南北朝期、斯波高経と新田義貞の戦いで、延元2年(1337)越前府中の斯波高経を攻めるため、新田義貞が杣山から、弟の脇屋義助が伊自良次郎左衛門の兵や平泉寺の僧兵らと共に三峰城に集結し、ここから府中を攻めたときで、『太平記』でその様子が記されています。

室町時代には寺院として存続していたことが、文安2年(1445)の東寺の古文書に書かれた記述から伺え、山中寺院との強い関連性が分かります。
その後、朝倉氏の時代になって家臣の山崎某が城守として守っていたと言われ、一乗谷城の出城、または見張台としての機能を果たしていたものと思われます。主郭部の中ほどには昭和15年に建てられたという脇屋義助の顕彰碑があります。

三峰城遺構概念図 - コピー三峰城遺構概念図(パンフ「三峰の歴史伝説・浪漫」より引用)
さて三峰城とはどのような構造の城だったのでしょうか、次に紹介してみましょう。
冒頭に述べた三つの地区の境界線が集まるところに城山(標高404m)があり、文字通り三つの峰が集まる山の頂部に山城遺構があります。
主郭とみられる曲輪は最東端に位置し、その西隣に並んで二の曲輪、三の曲輪が階段状に連続しています。それぞれの間には深くて鋭い堀切が穿たれています。二の曲輪は2段、三の曲輪は4段に段カットされた形跡がうかがえます。主郭では平らに成形されています。

城の大手口は西側の尾根線から登ってくる道の、三の曲輪の取り付き部にあります。ここから主郭部まで約100mあって、主郭や二の曲輪、三の曲輪はそれぞれ方形に斜面成形された跡があります。主郭部の規模は一辺約35~40mを測ります。各曲輪にはそれぞれ土塁が廻っている形跡はなく、比較的単純な造りです。

城の搦手口は東南隅の、細い尾根が南に分かれて延びていく位置にあたります。小曲輪が2基並び、堀切が切られて主郭部と遮断されています。
三峰城は尾根線が北に鹿俣町、東大味町へ延び、さらに西へは丹波岳城へ延びていて、その尾根線上に点々と一定間隔に堀切が何ヶ所にも穿たれていて、まるで一乗谷城の八地山、御茸山の尾根線と同じように、広い範囲が要塞化された形状を示しています。

7三峰城本丸から一乗谷を望む三峰城主郭部から一乗谷を望む
一押しのスポット
やはり、なんといっても山頂部から見た周囲の景色でしょう。
北には一乗谷の谷全体の様子が見渡せ、西には戸ノ口方面から福井平野を一望でき、南は河和田方面が見通せ、文字通り全方位的に見通しのきく場所に配置された山城であることが実感できます。

三峰城案内図 - コピー三峰城案内図(同上パンフより)
アクセス
京福バスで戸ノ口、河和田方面行きのバスに乗って、上戸ノ口で下車し、徒歩で戸ノ口トンネルまで歩きます。その手前、右手に林道がありますのでそこを進みます。林道からは一本道で、東へ約3.7㎞で旧三峰村入口広場に着きます。案内標示に従ってそこからさらに800m遊歩道を登ると15分で三峰城につきます。
自家用車の場合は、トンネル手前の林道を進み、旧三峰村の入口にある駐車場まで行くことができます。
また別のルートとして、一乗谷の奥、東新町から金谷トンネルを抜けて、出口のすぐ左側に西に向かう分岐した林道があります。この林道からも城跡へアクセスできますが、いずれも道が細くて狭いので、雨上がりの日や雪道の時は自家用車でのアクセスは避けてください。
三峰城ルート図 - コピー三峰城登城ルート案内図(同上パンフより)
補足
参考文献=『三峰の城と村』三峰城址保存会1998、パンフレット『三峰の歴史伝説・浪漫』三峰城址保存会など
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COMMENT 4

怜の父  2017, 05. 30 [Tue] 11:27

三峰城への林道も今では舗装されてかなり楽に登れるようになりましたね。
新しいトンネルができてから、上戸口町を通る車はほとんどなくなってしまい少し寂しい感じになってしまいましたが、刀那の滝をメインに村おこしをしているようですが、この重要な山城ももう少しアピールして欲しいですね。
この山の立地は一乗谷を守る上でも重要な位置にありますね。実際に主郭に立ってみると本当にわかります。
河和田地区にも山城はたくさん眠ってそうなんですけど、凄く資料が少ないですね。地元のお年寄りの話をできるだけ聞いて後世に伝えたいものです。

城へのアクセスがわかりやすくて、ブログを読めば簡単に登れますね。
私は城歩きマンさんのブログを読んで沢山の山城を登らさせてもらってますm(._.)m

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kaisan  2017, 05. 30 [Tue] 12:12

初心者向けにぴったり

三峯城は、私が山城探しにはまった思い出の城です。

土橋・堀切・切岸・土塁・竪堀・虎口等の遺構が良く残っていて、尚且つ案内の立て札まであるので非常に分かり易いですよね。
他にも廃村跡・大銀杏等の見所もあるし、林道で上の方まで行けてしまうので(個人的には林道は好きじゃないのですが)、山城初心者の方への導入としてぴったりかと思います。

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城歩きマン  2017, 05. 31 [Wed] 07:17

怜の父さん、コメントありがとうございます。

三峰城は地元の努力で、たいへんきれいに整備されてアクセスしやすい城跡のひとつになっています。
有名な山城なので、当然なのかとも思いますが、それでも地元の人たちの地道な努力には頭が下がります。
他の地域にも、こうした人たちの活動が伝わればいいかなと思います。

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城歩きマン  2017, 05. 31 [Wed] 07:24

kaisanさん、コメントありがとうございます。

想い出の山城だそうですね。
山城のかたちとしては、とても分かりやすい城なので、見学者の人たちには喜んでもらえること請け合いですね。

下草を刈ったり、枯れ枝を撤去したりと日頃の清掃が大変ですが、何よりも地区の人たちの、こうしたたゆまない努力の結果、いつも見やすい城跡として散策することができます。感謝。

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