岸水城―地域おこしと城山巡り(17)

岸水城付近から福井市街地を望む岸水城付近から福井市街地を望む
岸水城跡は福井市の西部、九頭竜川がすぐ横に迫る、川べりの集落岸水町の小高い丘の上にあります。地元に住む大滝秀穂さんの自宅の裏山が岸水城だったことから、大滝さんが平成7年頃に自力で見学できるよう、整備したと言います。

2012年10月10日付でこれに関連した記事をアップしていますので、ご参照ください(タイトル「まぼろしの中世寺院龍興寺跡」)。
岸水城遠景(東から)岸水城遠景(福井市教委発行『岸水遺跡』より引用)
プロフィール
岸水城は集落の北のはずれ、大滝さんの自宅の南端に登城道があり、ここから少し登ればすぐ城跡に着きます。「越前国城跡考」にもその記載はなく、新たに発見された城跡です。じつはこの岸水城のある集落には、寺院伝承があって、水田の字名(あざめい)にも「寺中」「堂山」「城坊」があってそれを裏付けています。また岸水集落の南端、四十谷町との境界に近い尾根の平坦部には墓地跡があって、今も古い石塔、石仏が遺っています。
室町時代文安2年(1445)の東寺に残る古文書『東寺百合文書』には岸水寺の名前があって、東寺の修復工事に寄付をした記録が残っています。

こうしたことから、岸水寺は山城を備えた山中寺院として室町時代頃から確実に存在していたことが分かります。

岸水城遺構模式図岸水城遺構模式図(福井市教委発行『岸水遺跡』より引用)
城跡は九頭竜川に突き出た標高90mの小尾根先端部に約140mに亘って築かれています。頂上に主郭と思われる平坦地(曲輪)があり、川に面した東斜面は正面入り口(虎口部)と思われ、ジグザグに登城道が続きます。両側には小さな段曲輪がいくつか見られます。
主郭の西側は堀切、曲輪、二重堀切、曲輪と続き奥の山道からの侵入を完全に遮断した構えとなっています。
岸水城周辺マップ岸水遺跡散策マップ(福井市教委発行『岸水遺跡』より引用)
一押しのスポット
岸水城の頂上に登ると、眼下に九頭竜川が流れ、その奥には福井平野の水源である白山連峰が見通せます。九頭竜川はここで日野川と合流しながら北に大きく蛇行してゆったりと流れています。

頂上からは九頭竜川に沿った福井市街地の北半分が手に取るように視界に入ります。ここは寺院だけではなく、川船を中心とした水運の港津としても栄えた土地柄だと言われ、岸水城はその見張所としての機能も与えられていたものと思われます。
龍興寺坂入口龍興寺坂入口案内板と駐車場
アクセス
岸水城へは京福バスで鮎川線または鶉三国線に乗車し、岸水で下車します。城跡はそこから徒歩5分の道程です。
自家用車でアクセスする場合は、岸水集落には駐車場がないので、前述の大滝さんの自宅の北にある遊歩道「龍興寺坂入口」の看板の前の駐車場を利用することにしましょう。ここだと2、3台の駐車スペースがあります。
補足
福井市教育委員会2001『岸水遺跡』参照
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