「湧水を生かした越前大野の魅力」の講演会参加記

2017年7月8日(土)福井県大野市「まなびの里めいりん」(大野市有終西小学校となり)の講堂で標記の講演会がありました。講師は奈良大学前学長の千田嘉博さんです。
サブタイトルは全国のお城と比較して、というキャッチフレーズで、約1時間に亘って大野城の天守閣の建物のことや、城郭全体の縄張の意義などについて、分かりやすく話を聞くことができました。

大野城と水の講演会「学びの里めいりん」での講演会風景
講演会の主催者は教育委員会ではなく、地下水の保存と活用を推進している大野市の建設整備課湧水再生対策室、だということで、たびたび降雪の少ない年や猛暑で雨の少ない年には決まって水不足に見舞われていた大野市では、このところ、地下水の再生、利・活用にたいへん力を入れて取り組みを強化していると言います。

そうした運動の一環で、このたび、天空の城として話題を提供している越前大野城の魅力を城郭研究の第一人者である千田嘉博さんに全国のお城と比較して、どのような違いがあるのか、お城づくりにどのような水との関わりがあったのか、などについてお話をいただく企画が催されました。
福井からは少し遠い道のりでしたが、お城の話が聴けるというので多少の苦労は厭わず、拝聴するために遠出することにしました。

大野城と水の講演会2大野城古絵図(講演会レジュメより)
予定の時間より少し早く着きましたので、折角ですから大野城のある亀山に登ってきました。標高249.1mの山ですが比高差は80mほどです。開会までに40分あります。十分余裕がありますので、天守のある頂上まで約20分、むしむしと暑い天候でしたが、直登コースの百閒坂から登城しました。

久々の大野城は、やはり凛として、小づくりながら品性のある姿で立っていました。
頂上に着くと、朝の散歩でご年配の男女がグループになって上ってくる一団と出会いました。お互い、元気に「おはようございます!」と挨拶ができて爽快でした。いつも、こうだといいのですが、所が違ったり、時間帯が違ったり、すれ違う人が違うと、こうも気持ちよくは挨拶しない、出来ないことが多いものです。

さて、千田さんのお話はとても分かりやすく、興味を持って聞くことができました。当日配布されたレジュメにもありますが、大野城の天守は昭和43年に再建されてから、何十年も経っています。原材料は、当時よく用いられた鉄筋コンクリート製、しかもモデルはもともと立っていたものを忠実に復元したものではなく、模擬天守、ということで別にモデルがあったものを拝借して建てたものです。

大野城と水の講演会3大野城遠望(麓の駐車場から)
このことを、名古屋の「蓬左文庫」に残る大野城の城下絵図から天守の様子を検討すると、御殿風の建物が立っていることに気付かされます。当時はそうだったけど、やはり天守閣があった方がシンボルにふさわしい、ということで御殿風建物を復元することはせず、こうした無国籍の模擬天守が建ったのかな…、と。
大野市民が約200人は集まったでしょうか、天空の城で意気上がる市民を前に、こうした話をするのにはいくぶん勇気がいるものですが、千田先生はどうどうと、そしてスラスラと話を進めていて、市民もだれ一人、顔を見合わせることもなく、熱心に聞き入っていました。話し上手の千田先生の面目躍如たる一コマです。

帰り際、大野に住んでいる知人と出口でばったり出くわして、帰りの道すがら、お昼の食事は何がおいしいの?と知人に訊ねると「七間朝市通り」にあるおそば屋さんがおいしいです、とのこと。満席で時間待ちがありましたが、そこのお店でとろろそばをいただいて帰りました。
スポンサーサイト

COMMENT 0